暮らしの手仕事

小さな自立と幸福感

今回のテーマは「手仕事」です。

皆様は、何かライフワークにしていることなどはありますか?

「暮らしをつくる」というテーマで活動している私たちは、衣食住に関して普段からいろんなものを手作りしています。

夫婦ともに取り組んでいるのですが、私が布、夫が陶器を担当しています。

大工仕事などは、夫婦一緒にやっています。

日曜大工。裏庭にレイズドベッドを制作。
手織り布
手びねり陶芸

私たちは暮らしに必要なモノを自分たちで創るのが大好きで、そこに人生の楽しさを見出しています。


無心になって体や手を動かすこと自体に意味がありますし、その行為そのものに私自身が支えられているような気がします。

楽しい、面白いという純粋な気持ち。

自分を支える土台をつくるような気持ち。 

身の回りの人を大切にしたいという気持ち。

手仕事には言葉に出来ない魅力がたくさん詰まっておりまして、私たち夫婦にとっては大切なものです。

今回は手仕事の魅力について「小さな自立」という視点で書いてみようと思います。

なにか始めたい一歩を踏み出したい

そんな想いをお持ちの方はぜひお読みください。

小さな自立

自家製の手びねりマグカップ。

私たちにとって暮らしの手仕事は「小さな自立」です。

私たちは20代まで

「お金が無ければ暮らしは成り立たない」

という、何か一般常識のようなものに縛られてきました。

私たちは暮らしに必要なものを基本的にお金で買っていますし、だからもし働けなくなったら暮らしは成り立たなくなってしまいます。

だから、社会のためにたくさん働き、たくさん稼ぐことが良いことであるという常識を受け入れる必要があったのです。

お金。効率。合理化。損得勘定。学歴。肩書き。スキル。などなど。


でも、そういったものが要求される社会に溶け込める自信や実力が私には全くありませんでした。(泣)

学歴もない。資格もない。稼げるスキルもないし、コミュニケーションも苦手。

そんな私でしたので、とにかくいつも不安でいっぱいの人生だったのです。

「自立」の反対の言葉は「依存」ではないかと思うのですが、まさに、何か形のないものに依存しているような不安定な気持ちをずっと持っていました。

そんな不安や違和感から抜け出すために始めたのが、「暮らしの手仕事」です。

夫のためにつくった手織り布の財布。

私がまず心がけたのが、「すぐに買わない」こと。

それまでは「何か欲しい」とか「あれが必要」と思ったら何も考えずお金を払って購入していましたが、そこで一歩立ち止まることにしました。

自分でつくってみよう!

猫とまったり手織りの時間。幸せの絶頂かもしれません。

それからは家庭菜園で野菜を収穫したり、手織りで布をつくったり、陶器で食器をつくったり。

私は自分の人生を「つくること」に全集中するようにしました。

YOUTUBEを見たり本を読んだりしながら独学で学び、自分の興味関心に素直に従うようにしました。

陶器は、実は七輪でも焼ける。

自分で生み出していく楽しさに目覚めると同時に湧き上がってきたのが「自立感」。

手作りでゆっくりと何かを生み出すのは、コスパやタイパを考えると決して得とは言えません。


普通に働いて購入したほうが断然お得です。

布の財布などは100円でも手に入るかもしれません。

自分で布から制作して作るとなると数週間はかかってしまうんです。(綿花から育てて布をつくったこともあります。笑)

でも、自分で生み出したモノは損得感情など関係なく、それ以上の言葉に出来ない価値があります。


私が人生の方針として「自分でつくる」ライフスタイルを歩いていこうと決めました。

小さな幸福感

もう一つ、手仕事で得られるのが小さな幸福感。

無心になって手を動かすのはなんとも心地が良いのです。


手仕事は本当に少しずつしか作業が進みません。

でも、毎日一歩ずつ歩けているような、ちょっとでも成長できているような、そんな感覚を得られるんです。

手織り布を、植物で染めてみた。インディゴ、茜、ウコン、夜叉など。

私たちは土や植物が素材のモノをつくることが多いのですが、自分自身の感性が豊かになっていくのを日々感じています。

モノが簡単に買えてしまう現代においては、別の次元の豊かさだと思います。

感性に従って手仕事を続けた結果、私たちが制作・販売しているPOTOCOも生まれました。

最初は自分たちが小さな植物を育てるためにつくっていた植物鉢。

いつの間にか欲しいと言ってくれる人が増えて、私たちのしごとになりました。

POTOCOは、今では精神的にも経済的にも支えてくれています。

POTOCOの制作風景。毎日作っても飽きません。

手仕事は自分と向き合う作業だと思います。自分の心の状態が、そのまま形になっていくのだと思います。

無限のポテンシャル

少しでも興味が湧いたり、やってみたいと思ったりしたことはとにかくやってみるのが一番いいと思っています。

夫が制作したモバイルハウス。満面の笑顔でうれしそう。

こちらは手仕事の範囲を超えていると想いますが、夫が制作した軽トラモバイルハウスです。

つくった理由を尋ねると「作りたかったから」としか返答がありません。笑

大した理由もなく変な家(モバイルハウス)をつくった夫ですが、その際に覚えた大工スキルによって今では家づくりなんかもこなしています。

理由もなく取り組んだことが、どこで役に立つかは分かりませんね。

「つくること」には無限のポテンシャルがあるように感じています。

この記事を読んでくれたあなたも、ぜひ何か興味のある手仕事に取り組んでみましょう。

きっと、人生が良い方向に変わります。